
菅相丞の三勝
「無事にして家貧しきは、事ありて富めるに勝る」まあ貧乏ほど結構なものはないのじゃな。これは田地が沢山あったり、金が沢山あったりすると、サア、面倒な、面倒な!。世の中はあっても苦労無くても苦労。この娑婆と云う所は堪忍土の世界と云って、堪忍せねば渡れんのじゃ。
「無事にして茅屋に住すれば、事ありて玉堂に住するに勝る」まあ貧乏でも和があれば結構じゃな。「和をもって貴しとなす」と聖徳太子は一七条憲法の第二条に置かれた。
「無事にして粗食を食ふは、事ありて良薬を服するに勝る」貧乏生活をしていると病気なんぞはあるものでない。病気は皆食い過ぎからじゃ。あんまりうまい物を食い過ぎるから病気が出てくる。酒を飲み過ぎ、又白米を食べる。そうして年寄ってから中風になる。食物によって身体を養うべきものが、食物のために身体を損ねるなんて云うは愚かなことだ。
足利紫山老師「臨済録提唱」115頁~118頁
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